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明日は檜になろう あすなろ弁護士日誌

大阪の「あすなろ法律事務所」所属弁護士が発信

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2011.08
29
Category : 法律関連
新聞の報道等をみていると、毎日のように従業員・職員等の横領事件が
発生していることがわかります。

一つ一つの金額が巨額というほどではないため、世間的に大きな話題となるものではありませんが
(約10年前におきた青森県住宅供給公社の横領事件は、巨額、長期間にわたる横領事件であり、
かつ、外国人女性に貢いでいたという資金使途もあってか大きな話題になりました。)、
それなりの規模の組織体であれば、お金の管理を誰かに任せざるを得ないため、
無関心ではいられないものと思われます。

6月以降も、例えば以下のような事件が報道されています。

・給食費1億1千万円着服、職員を懲戒免職(朝日新聞)
 「通帳と印鑑は1人で管理し、帳簿を改ざんして年1度の内部監査を免れていた」

・厚生年金基金の元課長、800万円着服の疑いで逮捕(朝日新聞)
 「容疑者は経理業務を担当していた2008年11月~09年9月、七十数回にわたり、
 基金の口座から計約800万円をキャッシュカードで引き出した疑いがある。
 帳簿を改ざんするなどして発覚を免れていた。」

・伊藤ハム子会社元総務課長を逮捕 1億5千万円着服か(産経新聞)
 「容疑者は同社の会計責任者だった平成18年7月から21年10月、
 同社の口座から不正出金を繰り返し、計約1億5千万円を着服していた疑いがある」
 「会社の売掛金を水増しするなどの隠蔽工作をしていた」


報道内容からだけでは不明な点もありますが、いずれの事案も口座から現金を引き出す
権限(支出権限)と帳簿の記録権限が同一人に帰属していたものと言えそうです。

これらの権限が分離されていれば、口座残高と帳簿残高がずれてしまい、
すぐに不正が発覚するため、それだけで不正を抑止する効果があります。
最低限、これらの最終的な決裁権限は分離しておくべきでしょう。

しかし、マニュアルを作っただけでは不十分です。
上場企業でも最近以下のような報道がありました。

・山口の林兼産業元部長、架空請求1億円 社長ら処分(朝日新聞)
 「元部長は2001~10年にかけて、取引先業者が魚の運送をしていないのに、
 運送代として約1億円を支払った。ほぼ半額が業者側から元部長の妻名義の銀行口座に送金されていた」


この事案は、取引先と共謀して不正がなされたもののようです。
巧妙に行われると、なかなか発覚させるのも難しくなってきます。
しかし、長期間かつ巨額の不正が全く発見できなかったというのは大きな問題です。

この点、同社の調査報告書によると、「本事案は、責任者である乙自らが職権を濫用し、
すべての業務を自らに集中させ、他の者を関与させないで長年繰り返された」とのことです。

適切な業務マニュアル自体は作られていたようですが、
「業務プロセスの運用面で例外的な処理」がなされていたようです。

仏作って魂入れずでは意味がなく、業務マニュアル通り運用される
(必要があれば、公式に業務マニュアルを改正する)会社風土を作ることが最も重要です。

その他の対策として、定期的な人事ローテーションの強化等が報告されています。

私が会計監査をしていた会社で、同じような指摘をしたときに、会社の担当者から
「同じ職場の仲間である同僚を信じていないかのようなことはちょっと…」と言われたことがありました。

私は、性悪説と性善説のどちらが妥当なのかはわかりませんが、
少なくとも人間には弱い面がある(性弱説)ものだと思います。
不正をしてもすぐにバレない状況であれば、魔が差してしまうことは誰にでもありえることです。

しかし、逆の状況ならブレーキが働きます。
「同じ職場の仲間である同僚」が犯罪者にならないように、体制を整えることが会社の社会的責務です。


洪 勝吉
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