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明日は檜になろう あすなろ弁護士日誌

大阪の「あすなろ法律事務所」所属弁護士が発信

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2013.05
20
Category : 法律関連
昨年、福島第一原発事故で政府事故調の最終報告が発表されました。
津波による全電源喪失といった事態がなぜ生じたのか、について
「東電も国も安全神話にとらわれていた」ことが根源的な問題で、
政府が財源難から「発生確率の低い事象を除外」したと批判しています。

原発という目の前の巨額の便益を前にして、万々が一というリスクに
トップはどう対応すべきだったのか、そのことをじっくり考えることは、
企業経営上のリスク対策という点で、重要な教訓をもたらしてくれるのではないでしょうか。

企業経営にはさまざまなリスクが伴います。
製品やサービスが市場競争力を失う経営リスク、
投資に失敗したり資金繰りに窮する財務リスク、
労使対立による士気の低下などの労務リスク、
規制違反による制裁や社会的信用低下などの法務リスク。

難しいのは、それを問題提起すること自体がプロジェクトに
「ケチ」をつける者として否定的にとられたり、
対策コストという現実を無視するものととられたりすることです。
リスクには優先順位をつけざるを得ません。
しかし、経営陣は、年に一度は、経営上のリスクを「棚卸し」して、
社外の意見も踏まえた検討の機会を設けてほしいと思います。
それがいわば企業の「定期健康診断」ではないかと思います。

昨年、製造工程で出る産廃汚泥に若干の手を加えてフェロシルトという
商品名をつけ、土壌埋立材として、業者に有償で引き取らせていた
石原産業の元取締役ら3名に対して、100億円を超える損害賠償が大阪地裁で命じられました。
この株主代表訴訟の株主側事務局長を私は務めています。
この事件は、廃棄物処理法違反で副工場長ら2名が有罪となり、
会社がフェロシルト(環境基準を超える六価クロムが溶出していました)を
回収する費用は500億円を超えています。

この事件で株主が抱いた最大の疑問は、業者に引き取り費用を支払って
「売る」(販売価格を上回る運搬費等を支払う)ことが廃棄物処理法に違反しないのか、
法的なチェックをなぜかけなかったのか、という点でした。

担当取締役は役所へも弁護士へも照会を行っていませんでしたし、
他の取締役は誰も「法律はチェックしたか?安全性はどうか?」という
質問すら発しませんでした。
日本を代表する化学産業でありながら、残念ながら環境規制への感度が
あまりに鈍かったといわざるを得ません。

株主代表訴訟は、役員に故意または過失があったときのみに
責任を問える制度であり、しかも担当職務以外の分野で生じた問題に
ついては原則として役員の責任は認められません。
個人責任を問われるのはよほどのことなのです。

会社の経営とその補佐にあたって、神ならぬ身、すべてを見通すことなど誰もできません。
「何か問題点はないか?」という直観を研ぎ澄まし、
重大な方針決定に際しては多様な意見を「聞く力」や「意見を聞いたか」と問う力と、
それが現場にまで浸透している企業文化が重要なのではないでしょうか。


池田直樹



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