RSS
Admin
Archives

明日は檜になろう あすなろ弁護士日誌

大阪の「あすなろ法律事務所」所属弁護士が発信

プロフィール

asunaro.l.o


■弁護士法人あすなろ(あすなろ法律事務所)
2003年に設立し、個人・法人のみなさまのご相談に幅広く対応しています。
弁護士が日々の出来事や法律のことなどを更新しています。

■URL
http://www.asunaro-l.gr.jp

■大阪事務所
〒541-0054
大阪市中央区南本町1丁目4番10号
ストークビル4階
TEL
06-6268-5070
アクセス
大阪市営地下鉄堺筋線 堺筋本町駅
1番または2番出口より徒歩2分


■奄美事務所
〒894-0026
奄美市名瀬港町22番23号
TEL
0997-57-6211
アクセス
朝日通りバス停前

カレンダー
05 | 2014/06 | 07
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 - - - - -
最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
最新トラックバック
検索フォーム
リンク
QRコード
QR
Powered by fc2 blog  |  Designed by sebek
--.--
--


--:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2014.06
09
Category : 法律関連
▼1
買掛金などの支払をしない取引先が別会社を作り、その会社で同じような事業を営んでいる
(しかし、その別会社としては御社に支払おうとしない)、あるいは、
御社との契約上、競業避止義務や機密保持義務を負っているはずの取引先が、
関連会社(と思われる会社)で御社と同じ事業を営んでいる(御社の秘密情報を使って
競業行為をしているようである)といった場面に遭遇したことはありませんでしょうか?

そのような場合、法人格否認の法理という法理論を用いて、
問題の適切な解決(債権の回収や競業行為の差止め)が出来ることがあります。


▼2
法人格否認の法理とは、独立の法人格を持つ会社について、
その「形式的独立性」を貫くことが「正義・衡平の理念」に反すると認められる場合には、
その会社の存在を全面的に否定するのではなく、
その法人としての存在を一応は認めながら、特定の事案についてのみ法人格を否認して、
この会社と実質的に同一視できる「その背後で支配する個人または別法人」の責任を、
当該会社に対して追及することが出来る法理のことを言います。

法人格否認の法理は、法人格が全くの形骸にすぎない場合(形骸化事例)
あるいは法人格が違法または不当な目的のために濫用されている場合
(濫用事例)に、実質上の責任を負うべき者が別会社の法人格という
隠れ蓑を利用して本来負うべき責任を回避することは許されないとの
考えに基づくものです(最判昭44.2.27判時551号80頁など)。


▼3
このうち、法人格の濫用のある場合(濫用事例)の具体例としては、
(1) 債権者詐害を目的として新会社が設立され、その会社に資産の大部分または
  重要な資産が移転された場合、
(2) 競業避止義務等を負う者が、法律規定の潜脱または契約義務の回避を目的として、
  その支配する会社に競業行為をさせるなどして実質的に義務を回避しているような場合、
(3) 親会社によって子会社が解散され、子会社の従業員が解雇された後、
  直ちに同一の事業目的を有する新会社が設立されるなど、
  会社の解散が不当労働行為の手段として用いられたような場合(不当労働行為)
などがあります。

そして、濫用事例において法人格否認の法理が適用されるためには、
一般に、
(a) 会社の背後にある者が会社を自己の意のままに「道具」として用いることのできる
  支配的地位にあること(支配の要件)、
(b) 債務の履行を免れるために新会社を設立するなど、会社の背後にある者が違法または不当な目的の下に
  会社形態を利用していること(目的の要件)が必要とされています。

例えば、旧会社が負う支払義務を免れるために、旧会社の営業財産をそのまま流用し、
商号、代表取締役、営業目的、従業員などが旧会社のそれと同一の新会社を設立したような場合には、
形式的には新会社の設立登記がなされていても、新旧両会社の実質は同一であるとして、
信義則上、当該新旧両会社は別人格であることを主張できず、
その相手方は当該新旧両会社のいずれに対しても責任を追及することができるということになります。


▼4
買掛金などの支払を免れるために別会社が作られたり、契約上の義務(競業禁止義務など)を
免れるために別会社が作られたりしている場合には、このように法人格否認の法理を使って
争う余地がありますので、もし、取引相手がおかしな行動を取っていると思われる場合には、
出来るだけ早くにご相談頂ければと思います。


原正和

スポンサーサイト
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。