平成20年12月に「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」が施行されて5年が経ちます。
この法律により、監督庁の許認可がないと作れなかった社団法人・財団法人の制度が大きく変わり、
一般財団法人・一般社団法人は手軽に作れて、様々な活用を期待できるものになっています。
(設立が簡単)
行政の許認可が不要で、一般社団法人は、社員2名と理事1名(社員と同じ人でもいい)がそろえば
公証役場での定款認証と法務局の登記だけで設立できます。
会社設立の場合に必要な出資金も不要です。
一般財団法人も、かつては10億ほど基本財産として拠出しなければ設立が認められませんでしたが、
基本財産の最低限度が300万円とされ、300万円と評議員3名、理事3名、監事1名の役員がそろえば、
定款認証と登記手続だけで設立できます。
登録免許税も株式会社は15万円以上かかりますが、
一般社団法人・一般財団法人では6万円とイニシャルコストをかけずに手軽に作れる法人なのです。
(事業の制限もなく運営が自由)
一般社団法人・一般財団法人はNPO法人のような行政の監督も受けず、
事業内容も公益事業に限定されておらず収益事業もできます。
剰余金の分配が認められていないことは会社との大きな違いですが、
役員報酬や従業員の給与は当然に支払えますし、法人の財産に社員の持分という概念がないことから
社員が抜けても持分や出資金の払戻しの必要がないというメリットもあります。
また、一定の要件を満たす、非営利型の一般財団法人・一般社団法人の場合は、
法人税法の定める34種の収益事業以外の事業は非課税となり、
収益事業以外で利益が出ても税金がかかりません。
(ビジネスでの活用も)
手軽に作れて、運営も比較的自由な一般社団法人・一般財団法人は
ビジネス分野でもかなり活用されてきているようです。
資格ビジネスを行ったり、資産の共同管理団体や業界団体などを一般社団法人として運営する場合も多くあります。
会社の公益的な事業に法人格を持たせて助成金や税制をうまく活用したり、
信託の受け皿(受託者)としての可能性もあります。
事業や所属の団体に法人格を持たせる場合、一般社団法人・一般財団法人の選択肢も
検討してみられてはいかがでしょうか。
室谷悠子
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